西日本皮膚科
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綜説
Nitric Oxide(NO)の病態への関与
森田 秀樹堀 美佳喜多野 征夫
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1995 年 57 巻 6 号 p. 1127-1131

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抄録
Nitric oxide(NO)は低分子量のガス状ラジカルであり大気汚染の原因物質のひとつとして悪名高い窒素酸化物の一種である。この物質が生命科学の領域で注目されるに至ったきっかけは, 1987年にMoncadaらが血管内皮細胞由来の弛緩因子が実はNOであると同定したことである。その後, 心血管系, 免疫系, 神経系での新しい情報伝達物質の役割や広範な臓器で病態に関与していることが明らにされてきている。今や種々の疾患の発症と進展についてNOぬきでは考えられないほどで各科臨床医も熱い視線を注いでいる。そのインパクトの大きさからScience誌はNOを1992年の“Molecule of the Year”に選んでいる。皮膚科領域においてもNOは今後注目されると思われる。本稿ではNOについて最近続出している知見について綜説した。
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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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