1996 年 58 巻 2 号 p. 215-218
40歳の女性のSLEの1例を報告した。初診時, 両肘, 膝, 背部, 臀部に多形滲出性紅斑様の皮疹を認めた。病理組織学的には真皮全層にわたり好中球を主体とした結節状の細胞浸潤, 血管壁の肥厚, 腫大が認められた。ステロイド剤内服による治療にて皮疹は改善したが, 減量時, 手指に滲出性紅斑が出現した。病理組織学的には, 初診時と同様に血管周囲性の好中球を中心とした細胞浸潤であり, 核破砕片を伴った, いわゆるleukocytoclastic vasculitisの像であった。