西日本皮膚科
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治療
難治性慢性蕁麻疹に対するダレン®(フマル酸エメダスチン)の臨床効果の検討
埼玉県皮膚科研究会
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1996 年 58 巻 2 号 p. 305-313

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抄録

抗アレルギー剤あるいは抗ヒスタミン剤で治療してもコントロールが十分でない難治性蕁麻疹109例を対象としてダレン®(フマル酸エメダスチン)の4mg/日, 4週間以上の投与による有効性, 前治療薬との比較, 安全性, 有用性を検討した。投与2週間後までは単独投与とし, 3週間以降は抗アレルギー剤および抗ヒスタミン剤の併用は可とした。投与3週以降に併用治療を行った症例は8例であった。2週後および終了時に最終全般改善度, 前治療薬との比較, 概括安全度, 全般有用度の採用例はそれぞれ94例, 57例, 108例, 95例であった。終了時の最終全般改善度は「中等度改善以上」で, 86.2%(81例/94例)であった。終了時での前治療薬との比較(全般的比較)では「前治療薬に比較してやや優れる以上」が80.7%(46例/57例)であった。終了時概括安全度は「全く安全である」は, 90.7%(98例/108例)であった。副作用は11例に発現し, 症状は主に眠気で8例であった。終了時全般有用度は「有用以上」が84.2%(80例/95例)であった。以上の結果より, ダレンは難治性慢性蕁麻疹に対して有用な治療薬であると考えられた。

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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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