西日本皮膚科
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研究
尋常性乾癬患者におけるHLA-C分子α1ドメイン上の9番目アスパラギン酸の保有頻度と臨床症状の関連について
森田 栄伸篠田 勧行徳 英一檜原 理子山本 昇壯
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1996 年 58 巻 6 号 p. 991-993

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抄録
尋常性乾癬の発症とHLAとの関連を明らかにする目的で, 尋常性乾癬患者58名についてHLA-Cw6, Cw7にほぼ特異的で抗原結合部位に位置すると考えられるα1ドメイン上の9番目アスパラギン酸保有の有無をPCR法により塩基配列レベルで検出した。また9番目アスパラギン酸の保有患者群, 非保有患者群で臨床症状を比較した。9番目アスパラギン酸は尋常性乾癬で58例中23例, 健常人で49例中15例にみられた。9番目アスパラギン酸の保有患者群と非保有患者群で皮疹の程度, 発症年齢, 関節症状の有無, 爪の変形, 家系内発症の有無について評価したが両者間で有意な差はみられなかった。これらの結果は尋常性乾癬の疾患感受性遺伝子はHLAそのものとするよりもHLA-Cw6の近傍に位置する未知の遺伝子である可能性を示唆するものと思われた。
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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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