西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
Anaplastic Large Cell Lymphoma
林 士弘中山 樹一郎松田 哲男利谷 昭人松尾 眞二郎山本 正次郎堀 嘉昭大島 孝一菊池 昌弘
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 60 巻 2 号 p. 169-172

詳細
抄録
53歳の男性。初診3ヵ月前に右大腿前面に自覚症状のない紅斑が出現した。放置していたところ, 紅斑内に数個の結節を急速に形成してきた。病理組織学的に真皮内に大型の異型リンパ球の瀰漫性浸潤増殖が認められた。浸潤したリンパ球は免疫組織化学的にCD2(+), CD3(+), CD4(+), CD30(+)であった。九州大学医学部附属病院皮膚科に入院し切除, 植皮術のみで経過を観察していたが, まもなく植皮部とその周囲に紅斑, 結節が再発したため放射線療法および化学療法を施行した。皮膚原発と思われるanaplastic large cell lymphomaにも浸潤増殖が早く急速な経過をとる病型があり慎重な対処が必要と思われた。
著者関連情報
© 1998 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top