西日本皮膚科
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研究
マウスの実験的単純ヘルペスウイルス皮膚感染症におけるVidarabineクリームの効果
皆川 洋子
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1998 年 60 巻 2 号 p. 184-187

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抄録

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を経皮的に感染させたマウスを用いて, vidarabine(ara-A)クリームの効果をvidarabine軟膏およびクリーム基剤(placebo)と比較検討した。HSV-1側腹部皮内接種マウスにおいて, vidarabineクリームを塗布した群およびvidarabine軟膏を塗布した群は, 対照群(薬剤非投与群およびクリーム基剤を塗布した群)と比較して, 死亡率に有意な低下がみられた。また, 生存期間においても有意な延長が認められた。一方, vidarabineクリーム群とvidarabine軟膏群の間には, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。なお, 薬剤非投与群とクリーム基剤群の間についても, 死亡率, 生存期間および帯状皮疹形成率のいずれにおいても有意な差は認められなかった。以上の結果から, HSV-1の経皮的感染マウス実験系において, vidarabineクリームにはvidarabine軟膏と同等の効果が認められた。

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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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