1998 年 60 巻 3 号 p. 354-357
アイピーディ®は, 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制するだけでなく, 抗原特異的なIgE産生を抑制する作用があることが報告されている。13例のアトピー性皮膚炎(AD)患者において, 通常の外用療法に加えてアイピーディ®を併用し, 皮疹やそう痒に対する臨床的効果を検討し, さらに血中マーカーの推移を比較した。治療前後において, そう痒スコアおよび皮疹スコアともに有意に低下した。治療前後において好酸球率とIgE値は, 有意な低下を示した。アイピーディ®は, ADの皮疹やそう痒を軽減させ, 好酸球率やIgE値を低下させる上で, 外用療法の補助的併用薬として有用ではないかと考えた。