西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
簡易型クライオスプレー器具CRY-AC®-3による皮膚腫瘍, 疣贅ならびに母斑の治療経験
津田 英隆滝脇 弘嗣荒瀬 誠治池澤 善郎大沼 すみ
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 60 巻 4 号 p. 549-551

詳細
抄録
ハンディタイプのクライオスプレー器具CRY-AC®-3を用いて皮膚疾患60例(ウイルス性疣贅40例, 脂漏性角化症12例, 血管拡張性肉芽腫4例, 日光角化症2例, 表皮母斑1例, 粘液嚢腫1例)の治療をおこない, その有用性を検討した。最終改善度は著明改善80%, 軽度改善18%, 変化なし2%, 概括安全度は安全75%, ほぼ安全25%, 安全でない0%, 有用度はきわめて有用80%, やや有用18%, 有用でない2%であった。隆起した大きな病変は従来の綿球法による冷凍療法では効果を得るのに難渋したが, 本法ではより有効と思えた。これまで本邦で利用しえたcryosurgery用の機械は比較的大型, 高価で手軽に利用しにくかったがCRY-AC®-3は小型軽量で持ち運びにも便利であり施術も簡単である。本器具は液体窒素綿球法の手軽さとスプレー法の確実性の高い効能を兼ね備えた優れた機器であると考えられた。
著者関連情報
© 1998 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top