西日本皮膚科
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症例
頭部の隆起性皮膚線維肉腫の1例と本邦報告例の統計学的検討
川上 泰二村山 実末永 義則旭 正一
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1998 年 60 巻 6 号 p. 776-779

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抄録
症例は46歳の女性。1992年転倒し後頭部右側を打撲した後, 同部に腫瘤が出現し, 近医脳外科で切除した。1996年同部に再び腫瘤が出現し, 再切除を実施したが, 1997年6月同部に腫瘤が再度出現したため, 7月2日産業医科大学皮膚科を受診した。隆起性皮膚線維肉腫と診断し, 入院の上, 腫瘤から3cm離して筋肉および骨の一部を含めて切除した。病理組織学的検査で, 真皮上層から皮下脂肪織にかけて, 紡錘形または卵円形の核をもつ腫瘍細胞の増殖がみられ, storiform patternを呈していたが, 核の異型性は軽度であった。CD34染色では, 腫瘍細胞は強陽性を示した。症例報告に加えて, 隆起性皮膚線維肉腫の1986年から1997年9月までの本邦報告例197例の検討をおこなった。
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© 1998 日本皮膚科学会西部支部
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