西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
脱毛斑を呈したCommon Blue Nevusの1例
末木 博彦三浦 健太郎所 眞弓永田 茂樹宋 寅傑飯島 正文
著者情報
ジャーナル 認証あり

1999 年 61 巻 3 号 p. 301-303

詳細
抄録

症例: 19歳女性。現病歴: 母親の曖昧な記憶では先天性か否か定かでないが, 本人の記憶では10歳頃より後頭部の脱毛斑を自覚していた。成長に応じてわずかに増大した。外傷の既往はない。看護学校入学を機に当科を受診した。現症: 後頭部に径8mmで境界明瞭な脱毛局面が存在。色調は淡い青灰色調を呈する部分と淡紅色を呈する部分が混在していた。軽度に隆起し浮腫性に触知した。臨床的にfocal dermal mucinosis, 血管腫を疑い全摘術を施行した。病理組織学的所見: 真皮乳頭下層∼網状層に浮腫と真皮メラノサイトの増生があり, 毛嚢を圧排し, 脂腺, 立毛筋が消失していた。エクリン汗器官は残存していた。臨床および病理組織学的所見から本症と診断した。本症例では真皮メラノサイトおよび間質が皮膚付属器を圧排性に増生し, 脱毛を生じたものと考えた。

著者関連情報
© 1999 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top