西日本皮膚科
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治療
1%ビホナゾール·クリームの足白癬に対する有用性および治癒後の再発に関する検討
佐井 嘉之鈴木 民夫磯部 英一濱口 哲藤田 直昭
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1999 年 61 巻 5 号 p. 659-665

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抄録

市販後10年を経た抗真菌外用剤ビホナゾール·クリームの足白癬に対する有用性を本剤開発時と同じ手法を用いて再検討するとともに, 治癒した症例においては治療後もアンケートによる再発調査を実施し以下の結果が得られた。1. 臨床試験においては, 真菌陰性化率80.0%, 皮膚症状改善率44.6%および総合臨床効果69.2%であった。この成績は, 開発時の二重盲検比較試験の本剤の成績と比べて同程度であり, ビホナゾール·クリームは, 足白癬に対し依然として有用な薬剤であることが認められた。2. 再発調査においては, 治癒後4ヵ月目の再発率が10.7%, 8ヵ月目の再発率が34.6%と低いことが再確認された。3. 再発に関与している因子としては, 治癒するまでの期間および患者の衛生状態が認められた。以上, ビホナゾール·クリームは, 足白癬に対し有用な薬剤であること, 治癒後の再発率が低いこと, が再確認された。また, 難治性の足白癬および患者の衛生状態が足白癬の再発に大きく関与していると考えられた。

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© 1999 日本皮膚科学会西部支部
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