西日本皮膚科
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症例
テルビナフィン(ラミシール®)による多形紅斑型薬疹の1例
長田 智子青木 武雄野中 薫雄
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2000 年 62 巻 5 号 p. 639-641

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抄録

67歳の男性。テルビナフィン(ラミシール®)により多形紅斑型薬疹が誘発された。内服開始から発症までの期間は約2週間であった。臨床的には,主に体幹から大腿にかけて大豆大から鶏卵大までの大きさの浮腫性紅斑が散在性に認められた。病理組織学的には真皮上層の血管周囲性にリンパ球の浸潤を認めた。原因薬剤の中止とプレドニゾロン20 mg/dayの内服4日間で皮疹は速やかに消退した。パッチテスト,スクラッチテストは陰性であったが,テルビナフィンの皮内テストでは1%,0.1%,0.01%の溶液を用いて検査したところ,それぞれ,21×18 mmの紅斑を伴う14×12 mmの膨疹,7×6 mmの紅斑,6×4 mmの紅斑が認められたため陽性とした。一方,健常人対照3人は,全て陰性であった。以上の所見よりテルビナフィンによる薬疹と診断した

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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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