2003 年 65 巻 4 号 p. 375-380
成人型アトピー性皮膚炎に伴う難治性顔面紅斑患者48例に対してタクロリムス軟膏で寛解導入後,トシル酸スプラタストを併用した患者(28例)とタクロリムス軟膏単独(20例)で治療した群に分けて,治療開始10週目までのトシル酸スプラタストの付加効果を検討した。その結果,全般改善度や皮膚所見における群間の差は認められなかったが,タクロリムス軟膏の使用量は併用群において有意に減少をみとめた(3.79/週→2.8g/週)。また症状の改善も併用群で早い傾向にあった。以上よりトシル酸スプラタストの併用療法は,症状改善が速やかに得られタクロリムス軟膏の減量効果が期待でき,日常臨床上,大変有用な方法と考えられた。