西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
ばち状指で発見された肺性肥大性骨関節症を伴った肺癌の1例
高木 磨美小林 桂子森田 明理沼田 時男田中 宏紀梶浦 元晴
著者情報
ジャーナル 認証あり

2005 年 67 巻 4 号 p. 337-340

詳細
抄録

55歳の男性。爪甲の変形と両足関節の疼痛腫脹が出現し受診した。初診時,両手指・足趾のばち状指を認め,肺性肥大性骨関節症との関連を考え,胸部X線撮影を行ったところ,右上葉に径8.0cmの腫瘤を認めた。精査の結果,肺癌と診断。病理組織型は扁平上皮癌であった。また,長管骨X線像では骨膜肥厚がみられ,骨シンチグラフィーで骨膜に集積像がみられた。以上の臨床,検査所見から肺性肥大性骨関節症と診断した。右上葉切除術施行後,ばち状指は改善,足関節の腫脹は消失し,骨シンチグラフィーで集積像が減少した。術後化学療法を施行し,皮膚所見の再燃や肺癌の再発はみられていない。

著者関連情報
© 2005 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top