西日本皮膚科
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統計
宮崎大学医学部皮膚科学教室開講以来27年間に経験した乳房外Paget病58例の統計
菊池 英維津守 伸一郎黒川 基樹瀬戸山 充
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2005 年 67 巻 4 号 p. 387-391

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抄録

宮崎大学医学部皮膚科における1977年11月から2003年3月までの27年間の乳房外Paget病58例について統計的に観察し,治療と予後,およびandrogen receptor,estrogen receptorの発現について検討を加えた。初診時年齢は46~88歳にわたり,平均71.4歳を示した。性別は男性32例,女性26例であった。発生部位は外陰部50例(86.2%),外陰部から会陰部4例(6.9%),肛門部2例(3.4%),腋窩部2例(3.4%)であった。腫瘤形成をみたものは17例(29.3%)で,真皮内浸潤を示したのは36例(62.1%)であった。58例中,触診上,画像上でリンパ節腫脹が認められたものは18例(31.0%)で,また6例に画像検査で他臓器への遠隔転移を認めた。全58例中,新鮮例は50例で,手術療法のみで加療されたものは28例であった。手術療法以外の治療法としては放射線治療が16例,化学療法が9例,冷凍療法が2例,温熱療法が2例,抗アンドロゲン療法が2例,BRM療法が2例であった(重複例を含む)。経過観察は1月~276月にわたり行われた。その5年生存率は68.2%で病期別にはstage I A及びstage I Bで100%,stage II以上では0%であった。18例でAndrogen Receptorの発現を検討しており7例(38.8%)に発現を認めた。

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© 2005 日本皮膚科学会西部支部
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