西日本皮膚科
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症例
両側乳癌の既往があった乳房外Paget病の1例
熊澤 智子段 虹増田 禎一占部 和敬古江 増隆
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2007 年 69 巻 3 号 p. 273-276

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抄録

症例は58歳の女性。初診の5年前より,肛囲に痒みを伴う紅斑が出現し,徐々に拡大。組織学的に,乳房外Paget病の診断であった。患者には,初診の10年前に右側乳癌,4年前に左側乳癌の既往があった。近年,乳房外Paget病の腫瘍細胞の進展に,アンドロゲンレセプターや,癌遺伝子産物であるerbB-2の過剰発現が関与している可能性が示唆されている。一方,乳癌では,エストロゲンとそのレセプター,およびerbB-2の過剰発現が,発癌と進展に深く関与しているといわれる。本患者が罹患した,両側乳癌と乳房外Paget病について免疫染色を行い,組織学的に検討したところ,3者ともエストロゲンレセプターとerbB-2に陽性所見を示した。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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