西日本皮膚科
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症例
Behçet病と診断されていた固定薬疹の2例
久保田 由美子伊藤 宏太郎山口 隆広中山 樹一郎
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2007 年 69 巻 4 号 p. 400-405

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抄録

症例1: 26歳の男性。2004年7月,口腔内アフタと陰部潰瘍出現し,Behçet病と診断され,ステロイド内服にて軽快。10月,感冒症状にてパブロン®S,ピーエイ®錠,ダーゼン®,クラビット®内服。陰部そう痒感出現後,同部の潰瘍,口腔内水疱出現し,摂食困難となったため当科受診。陰茎包皮の紅斑の生検で表皮真皮境界部の裂隙とnecrotic keratinocyteを認め,固定薬疹と診断。皮疹部のパッチテスト(PT)でクラビット®陽性。症例2: 17歳の男性。2005年6月,左拇指,右膝,陰部にそう痒を伴う紅斑と口腔内アフタ出現。自然軽快後,7月,同部位に同様の症状が出現したため当科受診。Behçet病と診断され,右膝の毛嚢炎様丘疹を生検した所,interface changeと表皮内に多数のnecrotic keratinocyteを認め,固定薬疹と診断。皮疹部のPTで不定期に内服していたイブ®A錠が陽性。いずれの症例も詳細な問診と病理所見が診断に有用であった。

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© 2007 日本皮膚科学会西部支部
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