西日本皮膚科
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治療
超微粒子化β-グルカン(Lentinan)を用いたアトピー性皮膚炎に対する多施設共同臨床研究
佐山 浩二藤山 幹子白方 裕司橋本 公二町野 博和田 民子飯尾 智恵
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2008 年 70 巻 3 号 p. 313-318

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抄録

アトピー性皮膚炎患者40例を対象として,超微粒子化β-グルカンの皮膚炎に対する有効性と血清IgEの変動について臨床研究を行った。39例の適格例で被験食を1日1回1袋(100g/袋中15mgの微粒子化β-グルカン(lentinan)を含有する)連日3ヵ月間摂取した結果,皮膚炎に関しては被験食摂取前と比較して摂取後2∼3ヵ月でSCORADスコアー; A. 病変の面積,B. 皮疹の程度,C. 自覚症状,Objective SCORAD,SCORADスコアーでいずれも有意な改善が認められた。また,血清IgEに関しては,被験食摂取前と比較して摂取後3ヵ月後では,非特異的IgE及び特異的IgE(ハウスダスト,ダニ,スギ花粉)ともに有意な低下が認められた。さらに被験食摂取期間中,被験食との因果関係を否定できない有害事象の発現はなく,また血液学検査及び血液生化学検査でも特に問題となる変動は認められなかったことから,被験食は安全性が高く,アトピー性皮膚炎患者に有用であると考えられた。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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