西日本皮膚科
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症例
両側対称性に皮疹が出現した汎発性斑状強皮症の1例
三根 義和小川 文秀清水 和宏佐藤 伸一
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2008 年 70 巻 5 号 p. 478-481

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抄録
症例は47歳の男性。初診の3ヵ月前より両手指の蒼白,早朝のこわばりが出現した。同時期より体幹,両前腕の硬化にも気付き近医受診後,当科を紹介された。初診時に両前腕,両上腕,両肩,両側腹部に対称性に皮膚硬化局面が多発し,一部では皮膚萎縮,色素斑が混在して認められた。更に肘関節,肩関節の可動域制限を認めた。しかし手指の硬化は認めなかった。また爪上皮出血点も認めなかった。前腕皮膚硬化部位より皮膚生検を行い,病理組織所見では膠原線維の増生を認めた。臨床検査では,抗ガラクトース欠損IgG抗体陽性,抗カルジオリピン抗体陽性であった。皮疹が広範囲に対称性に分布していたため,全身性強皮症も考え全身精査を行うも内臓病変は認めなかった。また抗トポイソメラーゼI抗体,抗セントロメア抗体も陰性であった。以上より汎発性斑状強皮症と診断した。皮膚硬化に対してプレドニン30mg/dayの内服を開始し皮膚硬化および関節可動域制限の改善をみた。
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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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