西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
臀部滑液包炎の1例
安川 晋輔武下 泰三前 隆男森 大輔古江 増隆
著者情報
ジャーナル 認証あり

2009 年 71 巻 2 号 p. 144-146

詳細
抄録
61歳,男性。左坐骨部の径8cmの圧痛を伴う皮下腫瘤を主訴に当科を受診した。MRI検査で左坐骨に接して厚い壁を伴う嚢胞性腫瘤が認められ,嚢胞性リンパ管腫や滑液包炎などを鑑別に考え,診断と治療をかねて切除術を施行した。組織学的には嚢胞様病変は滑膜上皮で裏打ちされ,一部にはフィブリンの析出が認められた。これらの所見より左坐骨部の滑液包炎と診断した。術後9ヵ月現在,再発は認められていない。臀部に生じる滑液包炎は比較的まれであるが,患者が皮膚科を受診することもあり,皮下腫瘤の鑑別診断に考える必要がある。
著者関連情報
© 2009 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top