西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
大型の環状ないし孤状の紫斑を呈し,潰瘍性大腸炎の合併をみたLeukocytoclastic Vasculitisの1例
石井 千寸堀川 永子瀬戸山 充三池 忠黒川 基樹
著者情報
ジャーナル 認証あり

2010 年 72 巻 1 号 p. 15-19

詳細
抄録

66歳,女性。初診の2ヵ月前から下腿に紫斑が出没し,約1ヵ月前から大型の環状ないし孤状の紫斑を認めるようになった。今回,紫斑とともに関節痛,下痢が出現し,皮膚生検にてleukocytoclastic vasculitisの所見を認めたが,蛍光抗体直接法では血管壁へのIgAなど免疫グロブリンの沈着は認められなかった。一方,下部消化管内視鏡検査と大腸粘膜生検にて潰瘍性大腸炎と診断し,プレドニゾロンとサラゾスルファピリジンの内服治療を開始した。消化器症状の改善を認め,皮疹,関節痛も消失した。広範な紫斑を伴うleukocytoclastic vasculitisに潰瘍性大腸炎を合併した報告は自験例を含め9例のみであり希有症例と考えた。

著者関連情報
© 2010 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top