西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
顆粒球除去療法(GCAP)が有効であった難治性壊疽性膿皮症の1例
馬渕 智生赤坂 江美子小島 知子生駒 憲広田宮 紫穂松山 孝小澤 明鈴木 大
著者情報
ジャーナル 認証あり

2010 年 72 巻 4 号 p. 331-335

詳細
抄録

50歳,女性。既往に再生不良性貧血,特発性血小板減少性紫斑病がある。5年前に,両下腿に径5cmまでの結節状に隆起する不整形な暗紫紅色局面が散在性に出現し,当科を受診した。臨床像,病理組織像より壊疽性膿皮症(増殖型)と診断した。骨髄異形成症候群,大動脈炎症候群,ステロイド性骨粗鬆症の合併があるが,潰瘍性大腸炎の合併はない。症状は徐々に増悪し,下腿のほぼ全面に潰瘍,結節を伴う難治性紅斑局面となった。中等量以上のプレドニゾロン内服に反応はするが漸減で再燃した。シクロスポリン,ヨウ化カリウム,ジアフェニルスルホン内服,タクロリムス軟膏外用は無効であった。そこで今回,顆粒球除去療法を導入療法として1クール(計6回),維持療法として計2回施行したところ,一部に紅斑が残るものの大部分は瘢痕化した。

著者関連情報
© 2010 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top