西日本皮膚科
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症例
神経線維腫症1型患者に生じた濾胞性リンパ腫の1例
松尾 美希伊藤 宏太郎今福 信一中山 樹一郎
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2010 年 72 巻 5 号 p. 491-493

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抄録

症例は62歳の男性。生後よりカフェ・オ・レ斑,20歳ごろより全身の皮膚に多発性の神経線維腫が認められるようになり神経線維腫症1型の診断であった。初診の1年前より後頭部右側に皮下腫瘤が出現し増大してきた。腫瘍部の病理組織検査では腫瘍内に複数の胚中心様構造を呈した中型~大型の腫瘍細胞の密な増殖が認められ,免疫組織化学染色では,CD20陽性,CD10陽性,Bcl-2陽性,Bcl-6陽性,CD3陰性,MUM-1陰性で濾胞性リンパ腫Grade3a(WHOの分類)と診断した。全身精査で,脾臓に腫瘍の浸潤像が認められた。R-CHOP療法8クールが行われ,後頭部腫瘍は平坦化,脾臓病変は縮小した。神経線維腫症とB細胞性リンパ腫の合併の報告は少なく偶発的合併と考えられた。

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© 2010 日本皮膚科学会西部支部
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