西日本皮膚科
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症例
遅発性に認められたS-カルボキシメチル-L-システイン(ムコダイン®)による固定薬疹の1例
小田 佐智子濱崎 洋一郎籏持 淳
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2011 年 73 巻 6 号 p. 598-600

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抄録

症例は40歳の女性。5ヵ月前耳鼻科より処方されたリゾチーム塩酸塩,S-カルボキシメチル-L-システイン(SCMLC,商品名ムコダイン®),デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(メジコン®)を内服し,2日後に上口唇のそう痒,ピリピリ感が出現した。2010年3月当科を受診した。初診時上口唇に色素沈着性の爪甲大の局面を認めた。固定薬疹を疑い,各薬剤について1週間に1剤の内服誘発テストを施行した。SCMLC内服3日後に色素沈着部のそう痒,紅斑を認め,陽性と判定した。SCMLCの薬疹を疑った場合,遅発性となる可能性を考慮し,内服誘発テストを施行する必要があると考える。

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© 2011 日本皮膚科学会西部支部
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