西日本皮膚科
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症例
稀な臨床像を呈する多発性皮膚神経鞘腫の1例
— 神経線維腫症 2 型,神経鞘腫症との鑑別 —
安部 文人樋口 哲也野老 翔雲吉田 正己蛭田 啓之
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2012 年 74 巻 6 号 p. 595-598

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抄録

67 歳,男性。体幹の小結節を主訴に来院した。家族歴に神経系腫瘍はない。体幹に多発する米粒大までの軽度隆起する褐色小結節を認めた。小結節は躯幹の割線方向に一致して細長い傾向があった。MRI 検査で聴神経鞘腫および他の神経系腫瘍は伴っていなかった。病理組織学的には,真皮浅層に細長い腫瘍塊を認めた。腫瘍は細長い核を有する紡錘形の細胞が不規則に柵状・束状に増殖する Antoni A 型構造を示した。神経鞘腫症,神経線維腫症 2 型との鑑別を含めて考察した。

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© 2012 日本皮膚科学会西部支部
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