西日本皮膚科
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症例
妊婦に生じた Henoch-Schönlein Purpura の 1 例
後藤 寛之森 裕美吉田 雄一山元 修
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2014 年 76 巻 1 号 p. 3-6

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抄録

36 歳の女性。妊娠 28 週時に出現した両下肢の紫斑を主訴に来院した。臀部から両大腿部,下腿にかけて癒合傾向のある palpable purpura が多数みられた。採血で腎機能は正常だったが,尿蛋白と尿潜血を認めた。病理組織学的に赤血球の血管外漏出と,真皮小血管壁のフィブリノイド変性を認めた。蛍光抗体直接法ではIgA が血管壁に沈着していた。Henoch-Schönlein Purpura (HSP)と診断し,プレドニゾロン 20 mg/日内服を行った。胎児に異常はみられず,妊娠 39 週に自然分娩し,尿蛋白と尿潜血も改善した。妊娠と関連した HSP 報告例は過去 24 例であった。その中には,重症の紫斑病性腎炎を合併し,胎児の予後が不良となった症例もあった。妊娠中に本疾患を発症した場合は注意を払う必要があるとともに,重症化する可能性がある場合は,十分な説明を行い,適切な治療を行うことが重要であると考えた。

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© 2014 日本皮膚科学会西部支部
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