整形外科と災害外科
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AMLステムの頚部折損をきたした1症例
本松 伸一島内 卓綾 宣恵中河原 修畑中 俊幸小川 雄司石井 武彰江口 正雄
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2010 年 59 巻 1 号 p. 141-145

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抄録

今回我々は,AMLプラスステム(DePuy)が頚部で折損し再置換術を要した1例を経験したので,若干の考察を加え報告する.[症例]78歳女性.身長142cm,体重49kg.右変形性股関節症に対し,2000年4月人工股関節置換術(THA)を施行した.手術後約6年経過した2006年2月,しゃがんで草取りをしている時に,急に右股部に音がして歩行困難になる.X線にてステムの頚部折損を認めた.折損後4日目に再置換術施行.extended trochanteric osteotomyを行い,折損したステムを抜去し,再置換を行った.再置換術後の経過は良好である.[考察]THA後のステム折損に関しては,Per Fixステムで多数の報告があり,デザイン上の問題点が指摘されている.これに対し本症例では,抜去したステムの調査を行うも,折損の原因を特定することはできなかった.しかし,本症例折損の後,国内で更に2例のAMLプラスステム折損が生じており,今後注意を要すると思われる.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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