整形外科と災害外科
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人工膝関節置換術におけるトラネキサム酸の局所使用とドレーンクランプ法の併用による術後出血量の検討
瀬形 建喜山下 武士岩本 克也米村 憲輔石井 一誠
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2010 年 59 巻 1 号 p. 187-190

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抄録

人工膝関節置換術における出血対策として様々な方法がある.我々は2006年5月よりドレーンクランプ法(DC法)を行ってきた.2008年7月よりトラネキサム酸(TA)2gの局所使用をDC法と併用し行ってきた.それらの術後出血量について検討し報告する.対象は2008年4月1日~2009年2月28日の間に施行したTKA症例全66膝のうち同日施行両側TKA症例6膝とDC法単独セメントレスTKA症例3膝を除外した57膝.これらをDC法単独セメント使用群(A群),TA併用・セメント使用群(B群),TA併用・セメントレス群(C群)にわけ検討した.患者背景としてA群で有意に手術時間,駆血時間が長かった.A群に対しB群では術後3日目Hb値,Hb変化量および全出血量で有意差を認め,A群に対しC群では術後出血量,全出血量およびHb変化量で有意差を認めた.トラネキサム酸の局所併用療法は有効な止血法である.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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