整形外科と災害外科
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大腿骨転子下骨折の髄内釘骨接合術におけるケーブルワイヤー使用に関する治療成績
籾井 健太竹内 直英前 隆男佛坂 俊輔川口 謙一佐々木 宏介上森 知彦秋穂 俊輔野口 康男
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2013 年 62 巻 3 号 p. 575-577

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抄録

【目的】long typeの髄内釘を用いて治療した大腿骨転子下骨折でケーブルワイヤー使用の有無による治療成績を検討すること.【対象と方法】2005年7月から2012年5月に手術を行った12症例12肢.男性4例,女性8例で,平均年齢74.7歳,ケーブルワイヤー使用5例,未使用7例であった.Seinsheimer分類はtype IIa 1例,IIb 5例,IIc 1例,IIIa 3例,IIIb 1例,IV1例.検討項目は仮骨出現時期,手術直後の患側頚体角と健側頚体角の差,健側と比較して頚体角差が5度以上の整復不良例の数とした.【結果】仮骨出現時期は30.6日/43.7日,手術直後の患側頚体角と健側頚体角の差は0.75度/4.43度,頚体角差が5度以上の整復不良例は0例/3例(ケーブル使用/未使用)であった.【考察】大腿骨転子下骨折に対しケーブルワイヤーを用いて,骨折部を直視下に整復することで,仮骨出現時期の短縮と良好な整復位を獲得することができた.ケーブルワイヤーの使用は大腿骨転子下骨折の治療において有用であると考える.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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