整形外科と災害外科
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急性炎症性股関節炎5例の検討
岡田 文山口 司西井 章裕吉兼 浩一大江 健次郎仲西 知憲伊東 孝浩
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2013 年 62 巻 3 号 p. 592-595

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抄録

急性発症し,炎症所見を伴う股関節痛は,化膿性関節炎のほか,特に高齢者では大腿骨近位部骨折との鑑別を要し,診断に難渋することがある.2011年9月から2012年8月までの1年間に,股関節周辺痛にて当科を受診し,血液学的に炎症所見を伴った5例(男性1例,女性4例,平均年齢68.6歳)を検討した.うち2例は体動困難にて救急搬送され,全例疼痛のため歩行障害を認めた.基礎疾患として,関節リウマチの合併を3例に認めた.全例にMRI検査を行い,4例に股関節穿刺を行った.股関節穿刺を行った4例のうち,2例にピロリン酸Ca結晶を,1例に尿酸Na結晶を認め,全例関節液培養検査は陰性であった.股関節穿刺とNSAIDs併用により痛みは軽減した.急性炎症性股関節炎の早期診断,治療に股関節穿刺は有用で,股関節には比較的少ないとされる結晶性関節炎も鑑別疾患として念頭に置く必要がある.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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