整形外科と災害外科
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β-TCPを用いた良性骨腫瘍の治療成績
―オスフェリオンRとスーパーポアRの比較研究―
瀬戸 信一朗村松 慶一橋本 貴弘富永 康弘田口 敏彦
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2013 年 62 巻 3 号 p. 607-611

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抄録

【はじめに】β-TCPは新生骨で置換される人工骨でオスフェリオンRが代表的であるが,2010年より均一な気孔構造を有するスーパーポアRが販売されたので両者の臨床成績を比較検討した.【方法】当科にて手術を行った四肢良性骨腫瘍20例中,骨補填材料としてオスフェリオンRを使用した11例(O群)と,スーパーポアRを使用した9例(S群)を比較した.【結果】アレルギーや局所刺激症状,骨折,感染,再発は認めなかった.S群で踵骨内脂肪腫の1例がCRPSとなり,疼痛消失まで術後10か月を要した.β-TCPの占有面積はO群は平均73.6日で50%となりリモデリング完了は平均160日であった.S群は,平均74.4日で50%となりリモデリング完了は経過観察中の2例を除けば115日であった.【考察】近年発売されたスーパーポアRの臨床成績報告は渉猟しえなかった.両群とも良好な治療成績で検討項目に有意差を認めなかった.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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