整形外科と災害外科
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左環指に多発した腱鞘巨細胞腫の1例
楊 拓也岡 潔末吉 貴直佐藤 広生薬師寺 俊剛水田 博志
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2013 年 62 巻 3 号 p. 620-622

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抄録

われわれは左環指に多発した腱鞘巨細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は35歳女性である.平成22年5月頃,左環指に腫瘤が出現したため近医を受診し,経過観察されていた.その後,平成24年3月に同指に新たな腫瘤が出現したため当科を紹介された.MRIでは左環指に3カ所,T1強調画像にて低信号,T2強調画像にて低信号~等信号を呈し,Gd造影画像にて増強効果を有する病変を認めた.辺縁切除を施行し,病理組織学的検査では腱鞘巨細胞腫の診断であった.我々が渉猟しえた限りでは,腱鞘巨細胞腫多発例の報告は27例であり,そのうち同指内に非連続性に多発した症例は9例であった.さらに,病変が同指に3箇所以上発生した症例は3例のみであり,本症例は稀な例であると考えられた.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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