整形外科と災害外科
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当科におけるSolitary fibrous tumor(SFT)の予後調査
宮田 倫明富田 雅人松尾 洋昭近藤 超子小林 恭介白石 和輝馬場 秀夫林 徳真吉木下 直江尾﨑 誠
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2014 年 63 巻 4 号 p. 685-687

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抄録

【目的】SFTの予後を調査し,予後に影響を与える因子について検討すること.【対象と方法】1995~2011年までに当科で治療を行った8症例のうち経過観察し得た7例(男性2例,女性5例)を対象とした.原発巣は頭部1例,頸部2例,肘1例,臀部1例,大腿2例だった.これら7症例の初回手術の内容,転移・局所再発の有無,腫瘍学的転機を調べた.また組織学的にはEnglandの基準による悪性度評価および上皮系マーカーを含めた免疫染色を行った.【結果】7例中4例に転移を認め悪性転機をたどった.初回手術で完全切除できた症例に再発・転移をみとめなかった.腫瘍学的転機はAWD 2例,NED 1例,CDF 1例,DOD 1例,DOOD 2例だった.組織学的にEnglandの悪性基準を満たしていたのは4例だったが,臨床的な予後とは関連していなかった.【考察】SFTの多くは胸膜に発生し予後良好と言われているが,四肢発生のSFTは悪性症例も少なくない.予後を左右する因子としては初回手術が重要であると考えた.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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