整形外科と災害外科
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人工股関節全置換術・人工骨頭置換術後のステム周囲骨折の治療成績
樋口 貴之仲宗根 哲山内 貴敬堀苑 英寛新城 宏隆神谷 武志新垣 和伸親川 知大湾 一郎金谷 文則
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2014 年 63 巻 4 号 p. 703-707

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抄録

【目的】当院における人工股関節全置換術・人工骨頭置換術後に生じたステム周囲骨折の治療成績を検討した.【対象・方法】対象は,7例7股で男性2例,女性5例,平均年齢66歳,平均観察期間は60カ月であった.Vancouver分類Type Aは1例でケーブルグリップを使用し,Type B1は3例でワイヤリングのみが1例,Mennen plate®併用が1例,Locking compression plate(以下LCP)併用を1例に行った.Type B2の2例はステムの再置換を行い,Type Cの1例はLCPとワイヤリングを用いて骨接合を行った.【結果】7例中6例は平均6カ月(3~12カ月)で骨癒合を得た.Mennen plate®使用の1例で偽関節となり,再骨接合術後に感染し,経過中に死亡した.再置換を行った1例で術後感染し,ステム抜去し経過観察中である.残りの5例は受傷前と同レベルの日常生活へ復帰した.【考察】Vancouver分類は治療方針決定に有用であった.LCPはステム周囲骨折に対して強固な内固定として有用と思われた.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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