整形外科と災害外科
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下腿の多発皮膚潰瘍から血管炎症候群が疑われた一例
口石 倫太朗志田 純一土持 兼之末廣 剛敏
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2014 年 63 巻 4 号 p. 788-791

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抄録

下腿に多発する皮膚潰瘍から血管炎症候群が疑われた1例を経験したので報告する.症例は61歳女性.半年前から発症した両下腿の潰瘍病変を主訴に当院受診.HbA1c 6.6%であり糖尿病性皮膚潰瘍として治療を開始.左足背部に径5cm大の潰瘍病変の他に多発する小潰瘍を認めており,加療継続するも改善なし.血管炎を疑いPSL投与を開始したところ,症状の改善がみられた.左足背部の潰瘍内病変はデブリードマン,持続陰圧療法を行った後に全層植皮術を施行した.病理組織所見は血管炎で矛盾しないものであった.経過中に関節リウマチと診断された.リウマトイド血管炎等の可能性が考えられるが症状は典型的ではなく正確な診断は困難であった.今後,皮膚病変の他,臓器病変の合併症に注意して経過観察する必要がある.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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