整形外科と災害外科
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低侵襲腰椎側方椎体間固定術による脊柱管・椎間孔拡大に関する画像的検討
矢野 良平山下 彰久渡邊 哲也原田 岳橋川 和弘千住 隆博上原 慎平嶋 勇一郎白澤 建藏
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キーワード: LLIF, 間接除圧, 低侵襲手術
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2016 年 65 巻 3 号 p. 400-404

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抄録

【目的】低侵襲腰椎側方椎体間固定術(Lateral Lumbar Interbody Fusion(LLIF))は後方の骨,靭帯を温存でき,ligamentotaxisによる脊柱管の間接除圧が期待できる.今回我々は画像を用いてLLIFの間接除圧効果を検討したので報告する.【対象と方法】2015年2月よりLLIFを施行し,画像が揃った16例33椎間を対象とした.MRIで各椎間板高位の硬膜管前後径と面積を,CTで椎間孔頭尾側径・椎体間高を術前後で比較した.また術前の椎体間高6mm未満群(16椎間,A群)と6mm以上群(17椎間,B群)に分け,各計測値の増加率を両群間で比較した.【結果】脊柱管前後径8.27→10.9mm2,面積88.7→127.6mm2,椎間孔頭尾側径右16.3→19.4mm,左16.7→20.1mm,椎体間高6.35→10.4mmと各々有意に増加した(p<0.01).A群はB群より椎間孔頭尾側径で有意な拡大率(27.9%と19.6%(p<0.05))を示した.【考察】LLIFによる脊柱管・椎間孔の間接除圧の有効性が画像的に示唆された.また,椎間孔拡大に関しては椎間板変性の高度な症例に特に有効と思われた.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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