整形外科と災害外科
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Vancouver分類type B2ステム周囲骨折に対して観血的治療を行った4例の検討
酒見 勇太池村 聡櫻井 立太井口 貴裕光安 浩章松井 元馬渡 太郎
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2016 年 65 巻 3 号 p. 477-480

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抄録

人工股関節全置換術・人工骨頭置換術後に生じたVancouver分類type B2ステム周囲骨折に対して遠位固定型セメントレスロングステムへの再置換術およびcableもしくはcable/plateによる固定の併用を行った4症例を経験した.術後は可及的全荷重とした.術後明らかな合併症なく,術後1ヶ月で転院となった2例でも歩行器歩行可能となり,その他の2例では術前のADLと同じ杖歩行まで回復した.術前画像でのステムのゆるみの評価は困難であるため,常にtype B2であることを念頭に置き,術中も積極的にゆるみを確認することで術後トラブルの危険性をさげうる.また,髄腔内に干渉せず,整復位を保持可能なcable/plateは有用な固定法であり,遠位固定型ロングステムとの併用で術後早期離床・荷重開始が可能であると考えられた.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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