整形外科と災害外科
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入院期間中に発生した大腿骨近位部骨折症例に関する検討
小林 恭介安達 耕一森 愛瀬良 敬祐
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2016 年 65 巻 3 号 p. 512-514

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抄録

目的)高齢化社会の進行に伴い,入院患者も高齢化している.このため様々な疾患,認知度,日常生活動作レベルを持った患者が入院しており,入院中の転倒や転落等により骨折を起こすことがある.今回当院における入院中に大腿骨近位部骨折を起こした症例を検討したので報告する.対象及び方法)2010年4月から2014年3月までの5年間に当院に入院した10795例(整形外科入院患者5892例)を対象とした.入院中に大腿骨近位部骨折を起こした症例を調査し,その症例の入院時の認知度,日常生活動作レベル,受傷機転等を検討した.結果)当該期間中に11例で大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折6例,大腿骨転子部骨折4例,人工骨頭ステム周囲骨折1例)を認めた.患者の認知度は比較的正常なものが多く,受傷前ADLは歩行可能なものが多かった.考察)入院中の転倒による大腿骨近位部骨折を起こす患者は少数ではあるが,その対策は重要と考える.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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