整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
大理石骨病に伴った大腿骨転子下骨折の1例
松下 優前 隆男佛坂 俊輔加藤 剛塚本 伸章小宮 紀宏清水 大樹戸田 慎
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 65 巻 3 号 p. 603-606

詳細
抄録

大理石骨病に伴った大腿骨転子下骨折の1例について検討することを目的とした.大理石骨病は骨変性を伴わない骨硬化性疾患で,主に破骨細胞の機能不全が原因とされ,骨硬化と骨脆弱性をきたし,易骨折性・造血障害・脳神経症状等を起こす稀な疾患である.骨折の際は,遷延癒合・偽関節・感染等の合併症を起こしやすく,また術中操作においても,骨質が非常に硬いため難渋する.症例は57歳 女性.自宅の階段で転倒し右大腿部を受傷.20歳頃に大理石骨病を指摘されたことがあり,大理石骨病に伴う病的骨折の診断で観血的骨接合術を施行した.術後15週に遷延癒合が見られ,再度骨接合術を施行した.術後1年間は免荷の方針としたが,骨癒合を確認でき,現在杖歩行でのリハビリ加療中である.

著者関連情報
© 2016 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top