整形外科と災害外科
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65歳以上の橈骨遠位端骨折に対する髄内弾性ピンニング法
―改良Desmanet変法―
田中 寿人笠原 貴紀秋山 菜奈絵
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2017 年 66 巻 1 号 p. 115-119

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抄録

【目的】当院では65歳以上の橈骨遠位端骨折で背側骨皮質の粉砕があるAO typeA 3に対して手術適応があるものには髄内弾性ピンニング法(Desmanet変法)を行っているが,骨にかかる応力が強すぎてCut outする事があったため改良を行った.【対象と方法】平成23年から平成26年までに当院を受診した65歳以上の橈骨遠位端骨折患者のうち骨折型はAO A 3の場合で手術適応があるもの5例に改良Desmanet変法を施行した.性別は全て女性,平均年齢76歳,平均観察期間は9.2ヶ月であった.改良点はピンの末梢部をヘアピン状に加工し,接触面積を広げることで骨にかかる応力を減らした.また同部位を骨形状に合わせてベンディングし,ピンの刺激を減少させた.【結果】臨床結果は最終観察時での齋藤の評価法でExcellent 2例,Good 3例であった.Cut outや神経,腱合併症なども認めず,全例骨癒合した.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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