整形外科と災害外科
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大腿骨ステム周囲骨折の治療成績
元嶋 尉士森 俊陽川崎 展佐羽内 研松浦 孝紀塚本 学酒井 昭典
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2017 年 66 巻 1 号 p. 42-45

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抄録

当院における大腿骨ステム周囲骨折の治療成績を調査した.対象は,2007―2015年に入院加療を行った11例で,入院時平均年齢74.9歳,Vancouver分類は,A:2例,B1:5例,B2:4例であった.Aに保存療法,B1に骨接合術,B2で活動性の低い3例に骨接合術,活動性の高い1例に再置換術を施行し,手術症例は5-8週免荷とした.全例で骨癒合を得たが,B1の1例,B2の骨接合術例全例に術後のステム沈下を,B1の3例,B2骨接合術例の1例に歩行能力の低下を認めた.大腿骨ステム周囲骨折は,B1とB2の判別が困難であるが,B2の骨接合術後の骨癒合は良好で,歩行能力低下率も再置換術と同程度であるため,B2においても骨接合術が治療の選択肢となりうることが示唆された.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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