整形外科と災害外科
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当院における大腿骨近位部不顕性骨折の検討
野口 蒸治黒木 健次永嶋 寛阿部 欣生佐々木 伸一
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2020 年 69 巻 1 号 p. 42-44

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抄録

大腿骨近位部骨折においては,単純X線で診断困難な不顕性骨折が散見される.今回当院で加療した症例について検討したので報告する.【対象及び方法】対象は2016年4月以降に当院で加療した10例(男性1例,女性9例)で,平均年齢は86歳だった.これらの症例について受傷原因,受傷または発症から診断までの期間,基礎疾患,診断,治療法について調査した.【結果及び考察】受傷原因は転倒(5例)が最も多く,診断までの期間は平均5日,基礎疾患として認知症が7例に見られた.治療は全例観血的治療がなされていた.不顕性骨折が疑われる場合は早期にMRIを施行し,診断を確定させた上で,痛みや認知症等で安静が守れず入院加療の必要性があると判断した場合は,全身状態等を考慮した上で,早期離床のため,観血的治療を考慮すべきと考えられた.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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