整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
三角筋拘縮症の姿勢, 運動の異常について
渡辺 英夫尾方 克己岡部 とし子
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 26 巻 1 号 p. 118-122

詳細
抄録

三角筋拘縮症の報告は, 1965年に佐藤らによって最初になされ, 以後同症の報告は増加しつつある. しかしその機能障害の運動学的加検索は十分とは言えない.
今回, 我々は同症患者9名, 計12三角筋について姿勢及び運動の異常に関して検討した.
同症患者は非常に類似した姿勢をしているが, 肩関節は外転拘縮, 内旋拘縮, 伸展拘縮, 水平伸展拘縮を呈し, 肩甲骨は下方回旋と屈曲が増強し, 翼状化がみられる. 更に上腕骨骨頭前方突出, 肘屈曲と前腕回内位, などの特徴的な姿勢がみられる. 片側例で脊柱側彎があり, 両側例では腰椎前彎増強, 骨盤前傾, 胸椎後彎減少の傾向があった. これらの異常所見の出現頻度は高く想像以上であった.
これらの異常は更に2次的, 3次的に筋の短縮や過伸展を来している.
これらの変形は三角筋中部線維のみの短縮では説明困難で, 後部線維も関与しているものと考えられる.

著者関連情報
© 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top