抄録
Sacrococcygeal dysplasia は環境因子の関与を示唆する実験的研究がみられるが, 遺伝的発生を裏づける臨床的, 実験的事実もある. この自験例は妊娠から出産までを通じて環境因子の影響を受けたとは考えられず, 両親のいとこ結婚であるてとを考えれば劣性遺伝子のホモ合接による発生の可能性がつよいと考えられた. この遺伝様式による発生は欧米の文献にはみられず本邦において自験例を含め4家系例6存在する. 以上文的考察を加え本症例が遺伝的発生の可能性を示唆しているてとに関して報告した。