整形外科と災害外科
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85才以上高齢者の大腿骨転子部骨折に対するIMHS法の検討
井上 貴雄木下 篤山名 圭哉佐藤 徹井上 一
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1997 年 46 巻 4 号 p. 1153-1156

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抄録

85才以上の大腿骨転子部骨折に対する髄内釘式ヒップスクリュー (Intramedullary hip screw; IMHS) 法の有用性を検討するため, IMHS法を施行した85才以上の症例23例を対象とし, 手術侵襲, レントゲン評価, 局所合併症の有無, および機能評価を調査した. 手術時間は48.2±12.3分, 出血量は69±40g, テレスコープは1.5±0.6mmで, 骨癒合は全例2ヵ月以内で完了し, 内反変形やラグスクリュー先端のカットアウト等は認めなかった. また, 調査時に死亡していた5例を除いた18例のうち, ADLレベルが2段階以上低下した症例 (可, 不可) は4例 (22.2%) であった. 本法は, 手術侵襲が少なく, 強固な初期固定性を得られるため, 機能訓練が早期より開始でき85才以上の高齢者の本骨折に特に有用と考えた.

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© 西日本整形・災害外科学会
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