整形外科と災害外科
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国道関門トンネル工事における傷害の統計的観察
古野 典男
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1958 年 8 巻 1 号 p. 79-83

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抄録

国道関門トンネル工事における昭和29, 30年度の災害統計を試み次の結果を得た.
1) 傷類別では挫傷が最も多く, 挫創が之についだが, 眼損傷を比較的高率に認めた,
2) 時間別では昼食前に最も多く, 出番による分類では1番方に最も多かつた. 曜日別では水曜日に最も多く, 月別では7月に最も多く, 12月に最も少なかつた.
3) 年令別では20才代に最も多かつた.
4) 部位別では, 細別すると手, 次で足に多く, 大別すると上肢に最も多かつた. 骨折では指骨に最も高率であつた.
5) 原因別では転倒によるものが最も多く, 之は湧水による足場の不良な為であつた.
6) 職種別では坑夫に最も多く, 次で土工, さく岩工の順であつた.
7) 休業日数は15日以内が85.7%で軽症者が大部分であつた.
8) 補償費は1年平均8,727,000円, 1件平均16,335月であつた.

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