日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
消化器癌による閉塞性黄疸にともなう掻痒感に対しparoxetineが奏効した3例
鵜瀞 条野中 英臣瀧田 尚仁鈴木 義真
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2010 年 107 巻 2 号 p. 257-262

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抄録

近年閉塞性黄疸にともなう掻痒感に対し,選択的セロトニン再取り込み阻害剤であるparoxetine(パキシル®)の有効性が報告されている.われわれは,消化器癌による閉塞性黄疸に高度の掻痒感をともなう3名の患者にparoxetine 10 mgを投与し,いずれも奏効した.効果は数時間∼2日で発現した.paroxetineは副作用が少なく,消化器癌による閉塞性黄疸の掻痒感に対する有効な治療になりうると考えられた.

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© 2010 (一財) 日本消化器病学会
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