日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:進行胃・大腸癌・GIST治療の新たな展開
大腸癌分子標的療法の新たな知見
金光 聖哲山下 公大角 泰雄鈴木 知志田中 賢一掛地 吉弘
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2012 年 109 巻 12 号 p. 2021-2030

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抄録

進行再発大腸癌に対する分子標的薬の使用は日常診療となっている.近年,新たなbreakthroughをもたらす報告が,直近のASCO2012においてをはじめ相次いでいる.新規分子標的薬regorafenibは標準治療抵抗となった患者に対し単剤での効果が証明された.bevacizumabを一次治療で使用した後に二次治療で再使用するbevacizumab beyond progressionの有効性が示された.維持療法,原発巣切除についてもそれぞれpositiveと捉えられるデータが示されている.これらの知見をいかし,患者背景,腫瘍関連因子を考慮して個別に最適な治療を選択していくことが必要である.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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