2012 年 109 巻 12 号 p. 2021-2030
進行再発大腸癌に対する分子標的薬の使用は日常診療となっている.近年,新たなbreakthroughをもたらす報告が,直近のASCO2012においてをはじめ相次いでいる.新規分子標的薬regorafenibは標準治療抵抗となった患者に対し単剤での効果が証明された.bevacizumabを一次治療で使用した後に二次治療で再使用するbevacizumab beyond progressionの有効性が示された.維持療法,原発巣切除についてもそれぞれpositiveと捉えられるデータが示されている.これらの知見をいかし,患者背景,腫瘍関連因子を考慮して個別に最適な治療を選択していくことが必要である.