日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:炎症性腸疾患と大腸癌
潰瘍性大腸炎における大腸癌の病理組織学的特徴と生検診断
味岡 洋一佐野 知江
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 110 巻 3 号 p. 379-384

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抄録

潰瘍性大腸炎(UC)の発癌早期病変(粘膜内腫瘍)には広い組織学的多様性がある.通常の高分化腺癌や腺腫と組織学的に同質のものに加え,通常の大腸腫瘍ではみることがまれな特殊型がある.SM以深浸潤癌では,(通常の大腸癌に比べ)低分化腺癌・印環細胞癌・粘液癌の頻度が高い.またこれらの組織型に加え,分化型腺癌でも浸潤性発育を呈することが特徴である.生検診断には,(1)dysplasia分類,(2)日本の通常の病理診断分類,(3)厚労省分類,が用いられている.組織学的多様性を示すUC発癌早期病変の生検診断には,(3)厚労省分類をもとに,細胞増殖動態とp53蛋白過剰発現の有無に着目した診断過程が有用である.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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