2022 年 119 巻 10 号 p. 871-880
わが国では1980年代に減量・代謝改善手術が開始され,2000年代に腹腔鏡下手術が導入された.2009年頃までは年間施行症例数は40~70例であったが,2014年に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載され,その後増加し2021年には890例行われた.現在の保険適応はほぼBMI 35kg/m2以上に限られており,腹腔鏡下スリーブバイパス術は保険収載されていない.しかし腹腔鏡下減量・代謝改善手術の安全性と有効性はわが国のデータでも明らかになっている.わが国ではまだまだ問題が多い腹腔鏡下減量・代謝改善手術であるが,今後さらなる発展が期待されている.